第78章 誰かが彼女を陥れようとしている

あの頃の彼女は、まだ逃げようとしていた。だが逃走は、いつも失敗に終わる。

藤原智彦は彼女をあいつらに投げ渡した。最初から、楽をさせるつもりなど欠片もない。

その後、彼女は無人島で一度だけ藤原智彦を見かけたことがある。客としてではない。裏で金を出しているスポンサーの一人――そんな立ち位置に見えた。

島の人間は皆、彼にへりくだり、やたらと丁重だった。けれど藤原智彦だけは終始、見下ろすように高い場所に立っていた。

島では、女の子は誰一人として服を着ることを許されない。全員が媚びるように身体をくねらせ、客に選ばれるのを待つ。

選ばれた日だけ飯が出る。選ばれなければ――飢えて死ぬことだってあ...

ログインして続きを読む